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【感想】グリザイアの果実をクリアしまして

 先日、グリザイアの果実をクリアしました~。とりあえず!想像していたのと大分違いましたね。重い話というのは聞き及んでいたのですが実際はそれだけでなくキャラ+ギャグ+シリアスゲーって感じでした。キャラとギャグの部分は非常に安定していて今までプレイしたエロゲの中では一番笑えたと思います。(そもそもギャグゲーが好きじゃなくてプレイしてこなかったというのもあるのですが。)

 ただシリアスは・・・大分まちまちな出来でした。複数ライターということもあって毛並みも大きく違い正直なとこキャラすらも(主に主人公)ルートによって変わっていたのは残念でした。個人的にお気に入りな藤崎竜太さんが担当したマキナ、天音ルートのような重くて血なまぐさい話が好みでした。しかもこの二人が流れ的に1番2番に来るので後半のしりすぼみ感はありましたね・・ここは好みでしょうが。

以下√別雑感

共通

長かったけど概ね楽しめたので苦痛には感じませんでした。

主人公には最初面くらいましたね・・序盤の警察との押し問答のところなんてなんだこいつ・・・て感じでしたが、(いい意味で)頭のおかしなヒロインたちのおかげでいい感じに中和されていました。まあただもう少し伏線をここで張ってほしかったなってのが全部クリアしての感想。みんな何かしら異常なところがあるのですがこの共通でハッキリと表現されるのは幸と由美子くらいでしょう。みちるが人の顔を窺っていたり、天音が幸せな日々に罪悪感を感じていたり・・そういった異常さが垣間見えていればもう少しスムーズにシリアスな個別ルートに迎えたのにな・・という気がします。

 

マキナルート

マキナ自身がとてもギャグ的にいいキャラをしていたので序盤はよく楽しめました。中盤の逃亡劇も緊張感がよく表現されていて(どっかのメインヒロインルートとは違い)楽しめました。寮でみんなに別れを告げるシーンがすごくよかった。またユウジの葛藤も程よくシナリオにスパイスを利かせていたと思います。

ただ締め方が・・・

まずマキナが負傷するきっかけ引いては幕切れへの一打になったリンゴの苗ですね。すっごい重いアイテムとしてたびたび後半出てくるのですが、あまりに唐突すぎる。こういうのを共通で小出しにしておいて欲しかった。そうすれば不信感も少しは減ったのにな、と。

これ以外にも愚痴はたくさんあるのですが端的に・・・、トゥルーとバッドの違いの無さ、お家騒動のあっさりとした幕切れ、スナイパーの件、突拍子もないEDへの説明の少なさ等々・・・。

やはり終わり良ければなんとやらですね、全体としてみれば80点くらいの出来だとは思いますがどうしてもこう書くと愚痴ばかりになってしまいました。

 

天音ルート

なにはともあれ「エンジェリックハゥル」!!!!!

最高に面白かった。唯一止まることなくぶっ続けで徹夜クリアしたルートです。別にどんでん返しとかがあるわけでもないんですけどね。これがストーリーテリングというものの神髄でしょうか、グロテスクなCGがなかったのは残念でしたがとにかく惹かれた・・・一姫が本当に魅力でしたね。こういう頭の良さがにじみ出てくるキャラに弱いです。

エンジェリックハウル以外は正直蛇足でしたね。なんといっても天音の贖罪感の無さ、これに尽きると思います。まあ実際天音は何も悪くないわけですがそれでも周りからの扱いや死んでいった友人たちへの罪の意識が刻み込まれている・・・はずなのですがどうしても感じづらかった。せめて情事の後に物憂げな顔をしているとか誘ってきているのに体は嫌がっていたとか、そういう罪の意識を序盤から描いてほしかった。そういうのをひっくるめてTRUEは少し生ぬるい締め方かな、と感じました。

ただむしろBADはすごい良い終わり方だったと思いました。罪の意識をから今度こそは必ず逃げないと心に誓い、坂下父にボロボロになりながらも縋り付きユウジを守ろうとする姿は心打たれました。CGもよかったです。最後に笑顔だったってのも納得です。ユウジにとってはBAD以外の何物でもないですけど。

 

幸ルート

まあ前二つと比べると話の起伏は少なく特筆すべきようなこともありませんでしたがその分ヒロインと主人公が向き合う場面が多く前者2つとは打って変わってしんみりと楽しめました。

今の幸も過去の幸も尊重したのは良かったと思います。過去幸みたいに突然やんちゃに戻るのかなと思ったけどあれが一番自然で一番よかったのかなと。

あとグッドエンドの幸の独白もよかったです。普段とのギャップも含めて最後の演技は非常に感動しました。あとオルゴールから自然とEDに入る流れ、こういう演出大好きです。(一番のお気に入りはカオチャtrue)

また終始幸の悩みに寄り添い続けた主人公の描写もストーリーに深みを出していたと思います。ルートごとに主人公の動き方や存在感は大分変りますがこのルートの主人公は地合いに満ち溢れていて結構好きです。

 

みちるルート

ここらへんとかまさに別ライターって感じでした。

まず主人公が本当にウザい。やれやれキャラっていうのでしょうか。恋人ごっことか他のルートなら傷つけるだけだと分かってやめにすると思うんですがね。

過去編も正直軽いかなあ、虐待の描写もさらっとだし友人が病んでからの自殺もあっさりからのさらっと心臓移植。ここら辺が少し軽かった。

もうここから否定的になっていたからかもしれないけど偽葬式の件もあまり感動しなかった。幸と天音はまだしもマキナが真面目過ぎて気持ち悪いし榊が泣きわめくのもどうかなあと。個人的な印象としてはマキナルートの別れ際のように素っ気なくしておきながらも屋上から見送ってる、あれくらいの距離感だと思っていました。

あとここからの取ってつけた多重人格編・・・明らかな尺不足。

てか多重人格のまま終わっちゃうんか・・成仏してクレメンス・・・

まあ他の√のPTSDや統失とかの過去に比べてインパクトが少ないから多重人格という設定を持ってきたのでしょうが話が二分割したうえにあんまりうまく作用はしてなかった気もします。微妙でした。

 

榊ルート

総じて普通のギャルゲーって感じでした。ただクーデレが個人的な好みだったので割と楽しめたのですが、シリアスは全体的に茶番感ありましたね。

まず趣味で外出て襲撃を繰り返す前半、まずお絵描きやめません?お絵描きしないと精神不安定になっておかしくなるとかならわかるんですが・・・

そして中盤の緊張感0の逃亡。まあここは普通のギャルゲーとして楽しめました。Hシーンのクオリティが他より高い気がするこれがメインヒロイン力。

一番疑問に思ったのがここです、家事に挑戦して失敗したから精神崩壊して生活を捨てようとする、ここです。あまりに投げやりすぎません・・・?

不安をため込んでいたシーンとか家事や何やらをいろいろ取り組んでも全くうまくいかなかったりしたら分かります。ただ家事一回失敗したからもう私ダメこんな生活嫌だ・・・って情緒不安定か何か?ある意味重いわ!

極めつけはTRUEっすね。。最後の√らしくみんなの力で!って風なんでしょうが由美子って結局何をしたんでしょうか。何も聞かされず最後に父に口答えするだけ。実際に活躍したのは主人公や他ヒロイン・・なんだか。

ただキャラクターは好きです、エピローグのしんみり感も良かったです。

 

総評

ルートによってまちまちな出来でしたが楽しめました。個人的には天音>幸>マキナ>榊>みちるの順で面白かった。迷宮、楽園でカズキと握手しなきゃ・・!

 

ps

アニメ版エンジェリックハウルのED「Rainy Veil」は必聴。やなぎなぎってすごい。