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【レビュー】デス・ストランディングは果たして神ゲーだったのか?クソゲーだったのか?

  というわけで今回はPS4で2019年11月に発売されたデス・ストランディング(Death stranding)のレビューをネタバレなしでしていきます。今作は賛否両論ということもあって購入を迷っている方も多いと思いますので、デスストの要素を一つ一つ評価して、皆さんの指標になればと思います。点数は軽い目安だと思ってください。

 

 

ストーリー・世界観 8点

 まず世界観、こちらは非常に良かったと思います。ムービーによる部分も大きいですが、小島節が効いていて BTやビーチ(幽霊と死者の世界のようなもの)、そしてDOOMSという能力者など目を引くような設定もありながら、きっちりとそれらの設定を科学や文学等様々なものから引用をしながら現実の世界の事実に組み込んでいます。少し難解でとっつきにくくはありますが、ストーリーを進めていくと違和感なく飲み込めることでしょう。特にキャラクターの設定は素晴らしかったです。

 ストーリーについては、まあまあといったところでしょうか。導入部は盛り上がりはするのですが謎が多く置いてけぼり気味で、オチもまあそこまで衝撃というわけでもありませんでした。それとただゲームを1周プレイしただけでは完全に理解できない部分が多くあります。ダクソのような語ることが少ないゲームであとは考えて!ってのはわかるのですが今作だと長々と語る割にう、うん・・・ってなる部分が出てくるので正直消化不良かな、って気がしました。筆者の読解力の問題もあるかもしれませんが・・・

 また途中まではキャラクター一人一人に焦点を当てて章分けでストーリーが進むのですが、ほぼそのキャラクターの独り舞台になります。サムは基本無口だしそのキャラクターたちと過去のかかわりがあるわけではないので、延々とキャラが一人で過去を語るシーンは少し違和感を感じました。

 しかしそれでもよかった部分も多く、特に今作のメッセージでもある「ストランド」に全てのストーリー、ゲームプレイが収束していく様は圧巻できっとどのようなプレイヤーの心にも何かを残してくれるはずです。

ムービー 10点

 このゲームの肝といってもいいでしょう。トレーラーでも惹かれることはありましたが負けず劣らずゲーム内でも心が動かされるムービーばかりでした。筆者はあまりゲーム内のムービーは好みませんがそれでも今作のムービーはほぼ全部目を離すことができませんでした。

 ただムービーの量は多すぎる気もします。序盤と後半に多く、特に後半は正直ちょっとうんざりするほどの量でした。ただ序盤(1時間ほど)を乗り越えればそこからは良い塩梅で進むので大きな問題だとは思いません。

 このゲームがムービーゲーだというのは事実だと思います。監督自身がゲームと映画の橋渡しと(たしか)言っていましたし。ただムービーのために作られたゲームではありません。その逆でも。どちらが付属品というわけでもなく相互にうまく絡み合ってる作品だと思います。

 

ゲームプレイ(ストランドシステム) 6点

 ここは本当に賛否が分かれるところなので評価が難しいのですが個人的には、真ん中からちょっとダメ寄りだったかなと思います。正直にプレイ中はそこそこ退屈です。景色に面白いものは別にないし音楽もめったに流れない、会話もなければ何かイベントが起こるわけでもない、ただ荷物をもって歩くだけ。(ログを音声で流したり自由に音楽をかけさせてほしかったなあ・・・)とはいえ退屈な中でもいくらか面白さはあります。未開の地をアイテムを駆使して少しずつ切り開いて進んでいくのはなかなか刺激的ですし、モーションなどのクオリティも高いため歩き回るだけで楽しかったり。緩やかさと緊張感がうまく調和していてなかなか飽きることのない体験になっています。

 決定的にダメなのはサブクエスト(指名なし依頼)です。サブクエストでは今まで通ってきた拠点にまた荷物を配送しに行きます。効率を考えれば道も全く同じになるので景色の変化もありません。(あえて難しい道を自分で選んで縛れる方なら別かもしれませんが)同じ道を通るからといってぐんぐん早くなるわけでもありません。報酬も基本的になく、特別なセリフもありません。筆者は中盤から全て無視しましたがメインクエストには影響はなかったので、個人的には息抜き程度に考えて大体はスルーをすることをおすすめします。

 バトル部分に関しては印象が悪いです。見えないBTから息をひそめて逃げるというシステムはゲームプレイにスパイスを加えていて悪くないのですが、後半までほぼ一緒のゲームプレイで飽きてしまいますし、捕まって戦闘が起こっても基本一目散に逃げるだけなので面白いなとは思いませんでした。また荷物を奪いに来る集団のミュールは最悪です。荷物を持った状態で相対するのでこちらは動きづらいわ、荷物盗まれるわ、戦ったところで一人ひとり殴るか銃で縛るかぐらいの自由度しかなく基本的に邪魔でしかなかったです。

 そして今作の目玉である人と人がアイテムや建造物によって繋がるストランドシステム、なのですが・・・正直目玉になるシステムではありません。面白いシステムだとは思いますが、恩恵が少ないんですよね。助かった~というよりはお、ラッキーといった感じでしょうか。そもそも誰かのためにこれを建てようというよりは自分のために作ったものが他の人も使えるよってシステムなので。監督の言っていたように本当にゆる~い繋がりです。プレイした時期が悪かったのでしょうか(発売から2週間後から開始)たくさん建造物は建てましたがいいねをされたのは梯子の70と看板の30でそれ以外は0でした。(自動的にいいねされたものを除く)正直なところ繋がりは薄すぎてそこまで感じることができませんでした。

 

音楽、UI 8点

 音楽は特に印象に残るわけではないですがどれも上質で心が洗われるような素敵な曲ばかりでした。ちなみに今作で初めて星野源の曲を聴いたのですが想像の100倍良くて今ハマっています。斜に構えて今まで聞いてなかった自分を殴ってください。

 UIは個人的には大丈夫だったのですが小さく詰め込みすぎて見づらいといってる人もいるようなので小さい字が苦手な方はお気を付けください。

 

最後に

 今作は非常に尖っている作品といえるでしょう。ダメなとこはダメだし良いとこは本当に良い。点数をつけるのは困難といえます。発売時にIGN本家が6.8点の低スコアを提示して話題にもなりました。自分は楽しんでプレイした方とは思いますが、果たしてデスストがクソじゃなかった?と問われたら確かにそういう部分があったと頷けます。ただそれでも僕はこのゲームをやってよかった、出来る事ならいろいろな人にやって欲しいと願っています。僕は飽き性ですが案外最後まで抜け出すことなくできました。是非皆さんも手に取ってプレイしてみてください。