色々書く。

ゲームのレビューが主。アドベンチャーマシマシ

Unheard ー罪の代弁ー DLC 致命的な台本 解説風のなにか

探偵推理ゲームUnheardのDLC「致命的な台本」の解説。のようなもの。

余りに複雑な内容に混乱したままゲームを進めてしまったので、整理も兼ねてこのブログに解説風の何かを残す。

DLCをクリアしたもののもやもやが残る方の助けになれば。

ちなみに以下のガイドを大分大分参考にしているのであしからず。というかほぼ翻訳

steamcommunity.com

怪しいところもあるのでコメント大募集中

 

まず今作は作中作中作。

実在の人物のみで行われた、山での取引のシーンをプロットA

役者と実在の人物が入り乱れる、ホテルでのシーンをプロットB

そして、そして役者のみによって構築される、生放送シーンをプロットCとする。

 

まずはプロットAの解説から。

主な登場人物は窃盗団の芽衣、石井、小室、内野、龍(本編未登場)

ギャングの虎、豹(未登場)、ボス、恵理子、高木となる。

 

窃盗団とギャングの間で取引が用意されている。それは謎のチップと7000万の現金の交換。窃盗団からは芽衣と石井、ギャングからは虎と豹が取引現場に来る予定となっている。

 

1.恵理子が取引に関する情報を手に入れる。高木に電話をして窃盗団とギャングの取引内容を伝え、チップと大金を横取りするように高木を仕向ける。

2.芽衣と虎は裏取引を画策する。チップの取引を奪われたことにして大金を浮かせることで、二人で山分けをしようとする。虎は同意、ただし子分の豹と銃を持ち込むことを伝える。

3.取引当日。窃盗団の親玉 龍は用心深かったため?小室と内野も現場に向かわせるものの道中で警察官と出会ってしまう。

小室はやむを得ず山頂で取引の準備をしていた石井を電話で呼ぶ。石井は車で女性警官を撥ねる。内野が血だらけの車と警官を湖に捨てる。小室と石井はパトカーで山頂へ。

4.取引が行われる。虎と芽衣の演技によってチップ2枚は虎が奪うことに。

5.虎と豹はチップと大金を手にして下山。しかしT字路でパトカー(小室と内野)に轢かれ、チップと大金を奪われる。(豹、死亡)

6.高木登場。小室を追いつめるも背後にいた内野に足を撃たれ辛くも敗走。

7.小室、チップと大金をコートの男(高木)に奪われたことにして石井をだます。また噂が広まりコートの男がチップ強奪の犯人として狙われることに。

研究所がチップを買い付けるとのうわさが広まり、ホテルのシーンへ移行・・・

 

プロットB

これもまた少し前に実際に合った事件。監督がこれを画策し役者を送り込んで数人の殺害に成功する。

各グループの主目的

窃盗団-「コートの男」を捕まえるためにホテルに事前に集まる。

ギャング-高木を利用して敵をおびき寄せるためにホテルに到着する。

役者-監督の思惑により騙されホテルに向かいオーディションの準備を行う。

 

・ギャング・窃盗団のメンバーが8人、役者も8人。8人の役者がそれぞれ8人の実在する人物を演じている。

・小室と内野

チップを売却するためにホテルに来る。

小室は談話室で上原と出会い会。その際に上原をボスと誤認してしまう。チップを2枚売って稼いでやろうと内野を裏切り殺害。チップを強奪する。

・石井

無邪気にコートの男を探す。

しかし、台本の読み合わせから芽衣が交渉相手と結託していたことを知る。対峙するものの殺害されてしまう。

芽衣+虎

芽衣はチップを取り返しに、虎は豹の敵を取りにホテルへ。

読み合わせから小室が事件の黒幕であることに気付く。小室を呼び出し殺害。チップを2枚回収し、脱出を試みる。

・ギャングの3人衆

チップに関わる人間をすべて始末してやろうとホテルに到着。

台本の読み合わせからボスは騙されていることに気付き、逃げようとするも恵理子に射殺される。

小室の殺害を終えチップを2枚保持している虎と芽衣がロビーに現れる。脱出のために恵理子高木の殺害を試みるも拾った虎の銃は偽物。虎が高木に殺される。

また、奪った台本から高木は恵理子が自分をだましていることに気付き、恵理子と芽衣を射殺。

最後にオーディション中だと勘違いした後藤が高木を射殺。

 

結果的に窃盗団とギャングのメンバー全員がホテルで死ぬことに。

 

プロットBは全て監督と研究所が本編より前に実際に行った計画殺人。

プロットAで妹(女警察官)が殺された監督は復讐のために殺害に関わった内野、小室、石井を殺すために今回の計画を行い役者を送り込んだ。

研究所の目的はもちろんチップの回収。

 

プロットC

全て監督・副監督が仕組んだ生放送。ということが知らされるものの、実銃が混ざりこんでおり高木役の人間が死亡。

 

誰が殺人を計画したのか?目的は?

犯人は副監督。目的は高木役の俳優の殺害。会話によるとガールフレンドの復讐のためとあるがゲーム内で詳細は語られず。

「もうすぐ・・・解けましたよ。」

 

何故監督と研究所が一度終わった事件の生放送ショーを行ったのか?

研究所が、実際の犯行はどのように行われたかを確認するために放送を必要とした。と参考のガイドには書いてあるけどなんかしっくりこない。生放送でやらなくてもいいのでは?実際の手順を確認したかったのか・・・?にしても大げさな気はする。

あとは見せしめとかか?

余りしっくりこないので、コメント求。

 

書いてみてもひっかかるところや書き足りてないところが多数あることがよくわかる。

メモしてないプレイヤーを殺しにかかってるといっても過言じゃない濃密DLC

にしても改めてみるとどいつもこいつも裏切りを画策してて苦笑い。もはや石井だけが癒し(人殺し)

 

 

【感想】ワールズエンドクラブが期待外れだったという話

初めに

今回はswitchで2021年5月に発売されたワールズエンドクラブ(world's end club)の感想になります。ネタバレありなのでご注意ください。どうしても最後までプレイできなかったので9割がたで断念してしまったうえでの感想になります。

 

ダンガンロンパシリーズの小高和剛氏Ever17等の作品を手掛けた打越鋼太郎が関わっていることで大いに期待はしていたのですが・・・

 

先に言うとよほど興味が無ければ買わないほうが良いと思います。AppleArcade専売だった時はおそらく今作に大いに期待されてた少数の方しかプレイしてなかったので評価が偏っていたようなのですが、実際にプレイしたところ本当に酷いゲームだったので注意喚起的な意味合いで書いていきたいと思います。

 

ゲーム概要を引用すると

修学旅行の途中に事故に巻き込まれた「ガンバレ組」の少年少女が日本の各所を旅し、困難を乗り越えながら彼らの見に来た謎を暴いていく、ジュブナイルロードムービー

アクションパートとアドベンチャーパートに分かれて交互に離しを進めていく感じです。

 

このままではこき下ろすことになるので最初に良いところを挙げるとすると、グラフィックと声優さんです。ポケモンシリーズにも関わっている竹氏のCGや緒方恵美をはじめとする豪華声優によるボイスなど非常に素材のクオリティは高いのですがそれゆえに、ゲーム内で活かしきれてないのがとても惜しいです。あとニョロが可愛い。

 

以下悪かった点

・雰囲気とストーリーのかみ合い

今作ではパッと見てわかるように全体的な雰囲気を子供が楽しめるような明るく爽やかなものに設定していますが、打越氏の重めのストーリーに一切あってません。世界は人間が消失だ陰謀だ宗教だと言ってるなかキャラクターたちはのんきに旅を送っているのでプレイヤーとしては全くストーリーに集中できません。

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のほほんとした雰囲気を楽しんでたらやれ世界の終焉がどうこう・・・。これなら悪の魔王を倒すくらいのストーリーで良かったのでは。

あと女子小学生にちんこと言わせて喜ぶのは普通に気持ち悪いです。

 

・アクション

はっきり言うとゴミofゴミです。これだけ酷いアクションはなかなか見ることができません。ボタン連打でクリアできるようなのもあれば無駄にシビアだったり時間のかかるアクションがあるのでイラつかざるを得ません。

ミニゲームとかフラッシュの無料ゲームのほうが大分面白いです。

 

・ガバガバなつくり

シンプルに矛盾してるというか適当にゲーム作ってるように感じる部分が多くあります。今作は短いスパンごとに2手にストーリーが分かれ一本に戻るというのを繰り返す仕組みなのですが自分が選ばなかったルートのめちゃくちゃ重要な情報(人類が感情を失い地下に閉じ込められてる)を知っている前提で話が進んでたりします。意味不明ですね。

視聴者に小さな矛盾を放り投げてるのももやもやします。

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例えばここ。まあこれだけなら喋らない系の主人公だなーと理解しますが後にれいちょがしゃべらないのはロボットだったからか~っていうネタがあるんですよね。じゃあこれはどういうことなのですか。プレイヤーの懐の深さに丸投げしすぎでは?

途中で主人公が変わることにもろくな説明がないですし中盤のポチの扱いも意味不明、このような適当に作って理解をプレイヤーに丸投げ、してるような部分がこまごまとあるので終始もやもやします。

まあ少しくらいご都合主義があっても許容しますけど、今作はそれが余りに多すぎるがゆえに気にせざるを得ません。

 

まとめ

まあ正直とんだ期待外れでしたね。兎にも角にも中途半端で、良いゲームを作ろうという気概を感じさせない、久しぶりにプレイしていて文句を言いたくなるようなゲームでした。小高氏のイザナギゲームズはまだプロジェクトを抱えているようですが、まあ即買いはもう無いかな・・・

 

 

 

 

【レビュー】LIFE IS STRANGE 2 は初代を超えられたのか、ゲームにおける政治的メッセージの扱いについて

 今回レビューしていくのはライフイズストレンジ2(LIFE IS STRANGE 2)、2020年3月26日にPC・PS4にて日本語版が発売されている。世界中で高い評価を得ているライフイズストレンジの続編となっている。

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今作は旅をする兄弟が主人公だ

 

ざっくりとゲームを説明すると

 とある事件により警察に追われることとなった兄弟が、かつて父が生まれ育ったメキシコを目指し逃避行をするという物語である。

 前作と同じく三人称視点で、物を調べたり人と会話をして物語を進めるアドベンチャーゲームである。そして主人公が様々な決断をすることによって、物語は大きく様変わりしていく。何を選び、何を捨てるのか。常に悩みながら自分が信じた道を進んでいく、これがこの作品の魅力である。


ライフイズストレンジ・シリーズとして

 ストーリーは大きく様変わりしている。初代は学校で起きた事件を題材にした青春・サスペンスものだったのに対して、今作はロードムービー型のストーリーテリングを取り入れている。兄弟はアメリカの各地を転々としながら人々と出会い、打ち解け、新たな問題に直面する。このようなサイクルを5章にわたって繰り返される。前作はドラマチックな展開の目白押しだったが、今作では着実に前に進む兄弟の成長を描いているといえる。

 ストーリーの展開は変わったものの、それでも今作は間違いなく「ライフイズストレンジ」であるといえるだろう。広大な自然を美しく描写したグラフィック、充実した音楽、雰囲気を壊すことのない高品質なローカライズ、遊び心に満ち満ちているテキストの数々、そして緊張に満ちた「選択」...今作は間違いなくLiSシリーズであり、その楽しさは健在である。しかし重要なストーリーの部分において今作はいくつかの問題点をはらんでいる。

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台詞の1つ1つも素晴らしい



 

 

詰め込み過ぎたストーリー

 今作の問題点の一つは、ストーリーの窮屈な展開にあると感じる。総プレイ時間は20時間程度、1章につき4時間程度でプレイが終わるのだが、これがストーリーの尺とあまりに合っていない。ロードムービーらしく1章ごとに新天地を訪れ、問題の解決までが描かれるのだが、「ライフイズストレンジ」のゆったりとした展開に引きずられ、描写がまるで足りていない。具体的に言うと特に序盤はどの章もひどく、見たこともないキャラクターと親交を深めた状態からゲームがスタートしたりする。そしてそのロケーションを1周して見て回った頃にはもう問題が発生し、解決をしなければならなくない。

 「このロケーションにはどんな背景があるのだろうか」「このキャラクターはどんな考えを持っているのだろうか」といったプレイヤーの疑惑に対して一応の回答はなされているものの、時間というのはやはり大きな存在だ。プレイヤーは完全にその世界を飲み込むことができないままに、ストーリーの先へと急かされてしまう展開は強引だったと言わざるを得ないだろう。

 

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ゲームにおけるポリティカルなメッセージ

 このゲームを語る際に誰もが口にする言葉、それが「political」である。要するに今作はストーリーの政治色が非常に強い。主人公の兄弟がメキシコ系アメリカ人というマイノリティな立場にあったり、強烈な差別主義者が度々登場したり、LGBT大麻・宗教などの様々な問題にも触れている。それ自体は素晴らしく興味深いことなのだが、今作の主題は兄弟愛と成長(教育)であり、ストーリーにうまく溶け込んでいるとは言い難い。

 それに加え、これらの政治的主張はどれも表面的であり内情までには至っていない。政治的問題が提起され、それに対しプレイヤーはどちらの側に付くかを選ぶ。そこまでで終わりなのである。

 なぜこのような政治的問題が起きてしまうのか、それに対し私たちはどうあるべきだろうか、そのような論点まで達することもできず、ただ差別主義者やLGBTを登場させるだけに留まっている。そういった問題提起も重要かもしれないが、プレイヤーにとって政治的メッセージを受け取るということは多かれ少なかれストレスとなる。それが休みなく次々と取り上げられては、冷めてしまうプレイヤーも多いだろう。

 もし政治的問題を取り上げたいのであるとすれば、しっかりとその問題の提起から結論までを描き切り、なおかつストーリーに落とし込む必要がある。もしそれが出来なければ政治的な要素はは諸刃の剣となり今作のようにゲームに大きな損害をもたらしてしまうというわけだ。

 

 兄が弟に「選択」を通して教育していく責任の重さを感じられる今作特有の緊張感や、クライマックスにあたる5章では旅の終わりをうまくまとめ上げられていたりと良い点もあった。しかしながら、これまでにあげた点やストーリーの盛り上がりの少なさ、兄弟の「成長」を感じさせる描写の杜撰さなど、ストーリーにおいて多くの問題を抱えていたと感じた。確かに今作はLiSシリーズの一員であり良い作品ではあったが、前作を超えることはできなかったといえるだろう。

 

 

ライフ イズ ストレンジ 2 - PS4

ライフ イズ ストレンジ 2 - PS4

  • 発売日: 2020/03/26
  • メディア: Video Game
 

 

【レビュー・評価】歴史に残る名作。十三機兵防衛圏をあなたにお勧めしたい!

 今回レビューするのはPS4で発売されている十三機兵防衛圏。

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このゲームの要素を取り出すとしたら「ロボット」「SF」「昭和」「ジュブナイル」「2D」「物語重視のアドベンチャー」という言葉が挙げられる。正直これらの要素は10~20代の若いプレイヤーにとっては少しとっつきにくい印象を受けるかもしれない。パッとプレイ画像を見ただけだと、あまり興味がそそられないと思った人も多いだろう。

 だが、待ってほしい。

 確かに自分も最初は疑心暗鬼であった。好きな世界観はウォッチドッグスのような近未来で、ロボットものなんてエウレカセブンコードギアス以来やってない。そんな自分の守備範囲外の作品であったものの、確かにこの作品は最高に面白かったと胸を張って言える。この作品はうわべの好き嫌いなんて超越する、それだけの面白さが詰まっているのだ。

 というわけでこれから未プレイの人達に向けて、なぜ十三機兵防衛圏が面白いのかを、どうにか説明していきたいと思う。ネタバレは避けるものの、魅力を説明するために冒頭の軽い情報などは出そうと思うので完全ネタバレ厳禁な方はお気をつけて。

 

 

 まずこの作品は3つのパートで構成されている。機兵を使って戦闘を行う崩壊編(バトル)、物語を読み進める追想編(アドベンチャー)、そして作品全体のTIPSや物語の流れを再確認する究明編(アーカイブ)である。

 

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 このゲームのメインは追想編でありプレイ時間のおよそ8割以上はこのアドベンチャーモードによって割かれている。ここでプレイヤーは2Dのフィールドでキャラクターを操作し、人々に話しかけたり周りを調べることで物語が徐々に進んでいく。

 

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実際のプレイ画面



 このアドベンチャーモードの特徴は、13人による群像劇でありながら時系列もバラバラであるということだ。物語は10分程度の断片的なエピソードに分かれており、私たちプレイヤーは13人のキャラクターから1人を選んで少しずつ読み進めていくことができる。「このキャラ好みだし進めよう」「さっき出てきたこいつは何だったんだ?」といった風にプレイヤーは好きな風にテンポよく断片を集めていくうちに、徐々にその壮大な全貌が見えてくるという仕組みだ。

 13人の物語、そして時間が次々と繋がっていく様は圧巻で、驚きを通り越して呆然としてしまうほどだ。3~4人の群像劇ならゲームや小説でもよく目にする。それでも1つの出来事に対して複数の視点から体験するというところがやっとだが、この作品では13人がそれぞれ別の目的をもって全く別のアクションを取る。話が重なっていないので端から端まで全て楽しめる、お得なゲームなのだ。

 さらに物語の大きな枠組みはSFであるものの、これら13つの物語のジャンルは多種多様で大きく異なっている。恋愛もの、タイムトラベル、記憶喪失ものetc...。様々なジャンルを自分の好きなようにプレイしていけるので30時間近いアドベンチャーパートにもなかなか飽きがくることはない。大胆な伏線も見どころで、開始から最後まで何度も「うぇっ!?」と声を出してしまうような場面が目白押しだ。

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記憶喪失から始まる関ケ原

 

 問題点があるとすればその複雑な構成による難解さではあるものの、そこで究明編(アーカイブ)である。イベントは時系列順にまとめられ、登場人物やオブジェクトについては短く詳細に記されている。かなりうまくまとまっていて、洋ゲーの長いジャーナルが読めない自分でも、気になったところを何度も究明編に入って読み直していた。このUIも非常にうまくできていて、さっと探してさっと流し見するだけで物語のつながりを一目で再確認することができる。

 

 

 ここまで語ったストーリーがこのゲームにおいて最も重要な部分であるのは確かだが、他の要素もすべて1級品である。1つ1つ詳細に語っていてはキリがないので、軽くではあるが触れていこうと思う。

 

グラフィック

ヴァニラウェアの十八番である美しく趣のあるグラフィック。特に明暗の表現が美しくて目を引かれるようなシーンが山のようにある。昭和という舞台もあって古臭さも感じてしまうが正直昭和っぽさはほぼない。まんま2020年と言われてもわからないくらいなのでそこの心配はしないでほしい。あとキャラクターがみんな可愛い。かっこいい。シンプルに好き。

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後ろのモブまで可愛い



 

キャラクター

ヤンキー、ヤンデレ、インテリメガネ等キャラクターがどれも個性的でありながら各々の物語を体験することで全員に愛着がわくようになる。

ちなみにほぼ全キャラクターにカップリングがあり、このロマンスが各々の物語の一部分を占めている。これがまためちゃくちゃ尊くて良いので是非本編を!

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今作一押しのユキちゃん

 

サウンド

ボイスは丁寧に作られており、13人の主人公たちはどれも声がぴったりで全く違和感がない。起用されているのはどれも有名声優ばかりで演技も折り紙付きだ。もちろん全編フルボイス。

BGM も素晴らしい出来。主張が強くなく、ヴァニラウェアの独特な世界観をうまく拡張している。実はマクロスをオマージュしたシーンがあり、筆者のお気に入り。色んな作品のオマージュがところどころに見えるのがこの作品の魅力の1つである。

UI

無駄のない、整然としたUI。必要な情報が必要最低限で即座に提示される。このUIだけで記事が出るんじゃないか?というほどに洗練されていて、レスポンスも早くストレスを感じるようなことは微塵もなかった。

 

バトル

見下ろし方のRTSのような画面で迫りくる怪獣を相手にタワーディフェンスを行うゲームモードになっている。正直プレイ画面を見た時はいまいちに感じるかもしれないが、プレイしてみると前述したサウンドやUIによりしっかり作られている。

 

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さらにこれは全体の1~2割程度しか占めず、アドベンチャーモード同様に1戦闘が数分もかからないので、むしろこのテンポの良さがアドベンチャーモードとうまく作用してリフレッシュすることができる。物語読むのに疲れたな~なんてときに怪獣にミサイルをぶち込んですっきりできるわけだ。

ちなみに難易度は低めに設定されているので、スリルが欲しい人は難易度を上げることをお勧めする。

 

 この作品はとっつきにくいような要素を抱えているものの、その中にあるのはアドベンチャーゲームの1つの完成形だ。ニッチなゲームと言われがちではあるが、物語を楽しむことに否定的でない人なら誰でも楽しめるような、それだけのクオリティのある作品になっている。これだけのゲームはこれからそう出てくることは無いだろう。是非歴史に残る名作を手に取ってみてはいかがだろうか。

 

十三機兵防衛圏 - PS4

十三機兵防衛圏 - PS4

  • 発売日: 2019/11/28
  • メディア: Video Game
 

 

【R6S・シージ】プラチナへの道・番外編 感度、エイムのお話、ハイセンシ・ローセンシについて 【PC版】

 今回は誰しもがぶち当たる壁、感度について話そうと思います。Part1でもお話ししましたが基本的にこの記事はシージでプラチナを目指すシルバー・ゴールド帯に向けて書いています。また今回は感度なんて気にしたことがない、PCでシージを始めたばっかりという人たちを対象にしたいと思っているので感度についてある程度の知識を持っているという方にはあまり有用な記事にはならない可能性があることをご了承くださいませ。

振り向き何CM?

 振り向きとはその名の通り180°振り返った際のマウスの移動距離を指します。感度を決めるにはウィンドウズの感度、マウスのDPI、そしてゲーム内の感度と3つの要素があってこんがらがってしまうため、こうやって振り向きを指標にして感度が語られるわけですね。

 さて、みなさんの振り向きは何cmほどだったでしょうか?まあ雑に測ってもらって構いません。この時点で10cm以上だった方はこの先の記事は読まなくてもいいかもしれません。ただ10㎝以下だった方は要注意です。

ハイセンシはなんでダメ?

 定義としてはあやふやですが一般的に~15㎝がハイセンシ、15~20cmがミドルセンシ、20㎝~がローセンシと呼ばれています。

 もちろん理論上で言えばハイセンシであればハイセンシであるほど動きが早くなり撃ち合いやフリックに強くなります。しかしながら現実問題、人間の性能には限界があります。それでは人間の性能としてプレイヤーの中で最も秀でているプロの振り向きを見てみましょう。マウスも違いますし、視野角や解像度を調整していない大雑把な目測なので参考程度に見てください。参考:https://prosettings.net/rainbow-6-pro-settings-gear-list/ 

 

まずは世界一のプレイヤーG2よりpengu

DPI:800 XY:6 振り向き:14cm ADS:63

Empire最強フラッガーJoystick

DPI:1600 XY:3 振り向き:14㎝ ADS:83

役職は異なりますが以外にも感度は一緒。ただADS速度がjoystickは非常に高いです。

 シージ界のプーさんG2kantoraketti

DPI:800 XY:5 振り向き:17.5cm ADS:50

以外にも感度は低め。あのスピード感はどこから・・・

南米の星Faze Astro

DPI:400 XY:5 振り向き:45↑cm ADS:85

南米の選手はエイム強者、なかでもハイセンシが多いイメージがありますが、まさかのスーパーローセンシ。さすがに遅すぎるのでもしかしたら誤植かも。

TSM!TSM! Beaulo

DPI:400 XY:10  振り向き20.5cm ADS:81

フリックの鬼というイメージはありますが実は遅め。

 

 

 無作為に有名プレイヤーを5人選んでみましたがやはり15cm付近のプレイヤーが多いのがよくわかりますね。プロですらハイセンシを扱える選手は限られているというわけです。どこかの記事で読みましたがあのエイム猛者しか存在しないCSGOプロでも振り向き10㎝以下のプレイヤーは100人に2人ほどしかいないようです。選ばれたプロたちの中でもさらに一部の人間にしか扱えない10cm以下のハイセンシを一般の人間がそう簡単に使えないのは想像にたやすいかと思います。

 

 ローセンシの利点を挙げるとAIMの容易さが挙げられます。

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赤が敵です。

 御覧の通り振り向きが長ければ長いほど標的の範囲も大きくなるわけです。これによって多少のブレがあっても余裕をもって頭を狙うことができるようになります。逆にハイセンシだと豆粒のような敵を狙ってリコイルし続けなければなりません。

 わかりやすく言うと振り向きを2倍にすれば敵の大きさも2倍になるわけです。あら不思議。とはいえ遅くしすぎても咄嗟に振り向けないし疲れるしというわけで15~20cmのプレイヤーが多いわけですね。

 

 さらに言えばR6Sは他のゲームに比べエイムの速度を求められません。CODやAPEX、OWのようにスポーティーFPSであれば(例えばOWのゲンジやトレーサーなどは細かいエイムを比較的必要とせず振り向き速度が求められるため)ハイセンシのプレイヤーが多いですが(とはいえ10cm以下のプレイヤーはごく少数)、シージやCSGOのような細かいエイムが必要とされるゲームにおいてハイセンシにおける利点は多くはありません。

 

あなたに合ったエイムとは

 いや、それでも自分にはハイセンシがあってる!振り向き15cmなんて動かせない!と思われる方もいると思いますが、それはおそらく日々のデスクワークによる固定観念によるものかもしれません。学校にあるマウスパッドなんて10㎝四方もなかったりしますからね。マウスを動かすことに慣れてない可能性が高いです。ちなみに手首エイムでも20CM程度までだったら動かすことができます。 

 もちろんハイセンシによる利点も多くあります。疲れにくかったりクリアリングが早かったりフリックが素早かったり。ただ一度もミドルセンシを試したことない人は間違いなく損しています。一度はミドルセンシになれることを筆者はおすすめします。

 それでも慣れない、という方はデバイスを一度見直してみましょう。大きさが30cm四方以上のマウスパッド、軽めのマウス、有線であればマウスバンジーなどを用意するとマウスを動かすことがより楽になります。個人的にはQCKheavyにGprowirelessをお勧めします。少し値段は張りますが、軽量+無線のおかげで振り回し放題の最強マウスです。

 

実際に感度を変えてみよう

 それでは実際に感度の調整をしてみましょう。自分がどれくらいの感度にすればいいかわからないという人はr6s pro settings https://prosettings.net/rainbow-6-pro-settings-gear-list/ ←ここからお気に入りのプレイヤーを調べて合わせてみましょう。ただ人気のあるフラッガーのプレイヤーはハイセンシにしがちなことを注意しましょう。

 まずはウィンドウズのマウス設定から。左下の検索からマウス、で出るはずです。もしくはシステム設定から。

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 ここのポインターの速度の部分ですね。ここは基本的にデフォルトのままでいいでしょう。WindowsSensitivity:6とか言われるとこですね。ちなみに下にポインターの精度を高めるのチェックは外しておきましょう。これがついてるとマウスに加速が追加され、正確なエイムが不可能になります。

次にDPIの設定になります。

 これはそれぞれのマウスのメーカーのソフトを利用して変更しましょう。(機種によりDPI変更ボタンによって変える物もあります。)LogicoolであればG HUB、RazerならRazerCentral等、それぞれダウンロードしておきましょう。あとはそれぞれの画面に従ってDPIを変更しましょう。LogicoolのGhubの場合このような画面になります。

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 最近のマウスは細かく設定できるので自分に合ったDPIでも構いませんが、昔はマウスのDPIが細かく設定できなかった名残もあって多くのプレイヤーは400,800のプレイヤーが大多数です。(筆者は腕がつかれるので1600)、特にこだわりがなければ800をお勧めします。ちなみにDPIが高いほうがより精細なマウス操作ができるといわれてます。しかしながらプロのプレイヤーでも多くが400DPIのままプレイしてる人も多いのでそこまでこだわらなくてもいいのかな~とは個人的に思います。

 最後にR6Sのゲーム内で感度を設定しましょう。ここでマウス感度水平方向、垂直方向(XY)とエイムの感度を調整しましょう。

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  ちなみにXY感度が30になっているのはGameSettings.iniファイル
(Documents / My Games / Rainbow Six-Siege)にあるMouseSensitivityMultiplierUnitを0.02から0.00223に変更しているからです。これをすることによってデフォルトの感度より10倍細かく設定できます。(デフォルトの3がここでは30になる)デフォルトの状態で高DPIにしてしまうと細かい設定ができないのでここをいじるのはおすすめです。

 エイム感度は50~83のプレイヤーが大半を占めています。50~60がぱっと見の多数派でしょうか。ちなみに83にすることで等倍サイトと腰だめ時の振り向きが一致します。等倍サイトでフラッガーをするプレイヤーは高めにする傾向があるようです。(JoystickやBeaulo等)ちなみに83を超えると等倍と振り向きが一致したままACOG時の感度のみ上がるようですがあまり上げているプレイヤーはいません。ここは理由がなければ50程度で調整することをお勧めします。

  XYは同じ値にするプレイヤーが大多数ですが一部リコイルが簡単になるという理由でYの高くしているプレイヤーもいます。(たしかkenkiやgatorada選手はそうだったはず・・)

 

エイム感度に慣れよう、そして調整の旅へ

 お疲れ様でした。あとは慣れるばかりです。最初はだれでも大変だと思います。ただ間違いなくミドルセンシになれれば強くなれるので頑張りましょう。少なくとも1か月は同じ感度で練習してみる必要はあると思います。

 そこから先は調整の時間になります。ミドルセンシで練習したもののやっぱり自分はハイセンシでも強い!とかいやもっと遅いほうが俺は強い!と思えばどんどん変えて調整していきましょう。ただしここが地獄でなかなかハマる感度が見つからず沼から抜け出せないプレイヤーも多いとかなんとか。皆さんは沼にはまらないようお気をつけてゲームを楽しみましょう!

 

 

 

 

【感想】素晴らしき日々HD版の感想-

 先日、素晴らしき日々~不連続存在~をようやっとクリアしました。サクラノ詩素晴らしき日々と逆の流れでプレイすることにはなったものの、やはり面白かったです。こういう哲学をうまく絡ませたシナリオはさすがすかぢ氏。プレイ順番に関してはやはり、素晴らしき日々サクラノ詩が正解も正解(そりゃそうだ)でした。シナリオ的には関わりないとはいえメッセージが一貫していて、論考における「梯子を上り、捨てる」という行為、(ちょー要約すると難しい哲学の問題をクリアして、そのうえでそれを切り捨て日常生活を生きるのがより良い生であるという話)がそのまますば日々→サク詩の流れになっています。そりゃサク詩だけやってもまともな理解はできんよと。是非是非これからプレイする方はすば日々→サク詩で、ってまあ未プレイ勢が感想見に来ることはあまりないのかな、と横道もほどほどに。考察できるほどの理解は微塵もないのでさらっとした感想になりますがご容赦ください。

 シナリオ以外の部分から触れていくと、まずは音楽。エロゲプレイヤーなら知らない人はいないであろうOPの「空気力学少女と少年の詩」をはじめ作中のBGMも「夜の向日葵」や「なぜ日は傾くのか」など良曲ぞろい。絵も綺麗でサク詩よりも安定していた気がします。演出が割と凝ってる部分も引き込まれる要因の一つだったと思います。ちょいホラーも有ったりして面喰った。シナリオの雑感としてはこっちもサク詩と変わらずエンジンかかるの遅いな~とは思ったけど電波チックな1~3章からネタバレの4~6章への引き込まれ方・爽快感は格別でした。まあ話としては、似たようなトリックのものは多いですし、細かいところが全部脳内で補正されるとかいうとんでものせいで興は削がれましたが、メッセージ性は相変わらず強く、サクラノ詩と12トップで考えさせられる作品になりました。

Down the Rabbit Hole Ⅰ・Ⅱ

 直訳すると兎の穴へ落ちる。アリスの童話から転じて、日常からの逸脱を意味するらしい。新・由岐視点のお話。Ⅰでは幸せな生活が続くものの実はざくろの夢(?)だったよというお話。ここらへんの解釈は終の空Ⅱでも言われていたようにいろいろな仮定が出来そう。ようするにわからん!Ⅱではこの物語全体における事件を新・由岐が体験していく。Ⅰでは百合萌え~って感じで割と退屈だったがいきなりⅡから引き込まれた。とはいえ謎だらけ。まあ由岐の立場的にもどうしようもないところではありますね。

 

Its my own invitation

 卓司が救世主となり、人々を救う話。救済とは。タイトルを直訳するとこれは私自身の考えだ。って感じでしょうか。ようわからん。すば日々一つ目の壁ともいえる章。とはいえ耐性さえあればなかなかに面白かった。不可解なのは相も変わらずですが。机(ざくろ)や黒リルルとの聖戦、ホm描写思い出せばてんこ盛りだったなあw話の中心が悠木、由岐、卓司にあることが徐々に分かってくる。そしてこのルートといえば外せないのは希実香!なかなかに渋いキャラクターでしたね。サク詩における長山加奈のようなサブといえど強く印象に残るキャラクター。

 論考的に言えばある種考えに沿ってるといえるんでしょうか。希実香との屋上で牛が踊っていたりどんどん宇宙に近づいて行ったり、まあ無茶苦茶やるわけですがあれは世界の限界、思考の限界への挑戦なのでしょう。そして結局は世界の内側に価値がないと決め、その外側に向かって空に還ろうとする。世界を満たすものは外側にある、これがこのルートでの結論でしょうか。まあやってることが明らかに間違っていますけどね。これも親の血か。

 あとふたなりがちょっといいかなって思ってしまったゆるすまじすかぢ

Looking-glass Insects

 ざくろ視点。いじめに立ち向かったり逃げたりする話。この章のHappyEndはサク詩のZYPRESSENルートと同じでこの物語をまとめ上げた一つの形だと感じました。この章で強調されるのは「意志」について。Happyはお気に入り、Happyはね。Happyを先にプレイしたせいでNormalをクリアするのに2週間ほどかかりました(涙)。シラノドベルジュラックの台詞が最高にかっこいい。「それは、私の心意気だ!」。イケメン卓司(由岐)に惹かれていく少女やシラノドベルジュラック、そしていじめとの戦いなど見どころが多くて楽しかった印象強めです(Happy)。ざく希実、尊い。唯一泣いたルートかもしれない。尊さのあまり。そしてここにおいて彼女らは「素晴らしき日々」を手に入れることに成功するわけです。イイハナシダナー

 Normalも最後に「Cest mon panache!」と叫んでいてある種の意思ではあるけれど、結果からわかるように間違った意思だったと思う。Happyの希実香を助けたいという意志とは違い、Normalでは生きる意味を失った挙句、それを世界の救済などというオカルトに結び付けて意志で無理やり上書きしてるような感じを受けました。

 まあ可哀そうではあるんだけどね・・

Jabberwocky

  皆守視点。ネタバレ多めの章であまり語ることもないかな。

Which Dreamed It

  羽咲ちゃん視点。ここもネタバレパート。前章の補足といった部分が大きかった印象。実は体の本体は皆守だったというのは驚き。木村が結構いいやつだったりする。僕も木村みたいな童貞になりたいです。

 あとこの章では音無彩名の存在にも触れてました。個人的には集団的無意識なのかなあと思っていたけれど、考察を見ているとヨグソトース(クトゥルフ神話の神)と捉えている人が多くて僕は考えるのをやめた。

JabberwockyⅡ

 皆守の過去編。皆守、羽咲、由岐の3人での温かい生活から由岐が死に、卓司に体が乗っ取られるまでのお話。この物語の一番重要なメッセージ「幸福に生きよ!」について語られるシーンが見どころかなと。

「人は先に進む…その歩みを止めることは無い
たった一つの思いを心に刻み込まれて
そう、命令にした刻印…すべての人…いや、すべての生命がその刻印に命じられて生きている
そうね…その刻印には。ただこう刻まれている
幸福に生きよ!」

 いや~インパクト強いですね。幸福に生きよ!幸福に生きる、ではなく命令形。生きよ!シンプルでありながら力強さがあります。ただその中で人は死という絶望を見出してしまう。ただそれゆえ人々は祈る(意思)。この世界に祝福あれ、と。

素晴らしき日々

 Trueルートっぽい終わり方。皆守は由岐と別れ羽咲の手を掴み、運命を変える。論考では世界は器であるという。語りうるものは明晰に、っていうセリフからもわかるように世界はどうしようもなくて、価値なんて存在しないというヴィトゲンシュタインに対して意志で立ち向かったという感じでしょうか。木村との対話はよくわからなかったですねえ。自分は自分である(独我論)のでそこで完結していて存在証明などする必要もないって感じでしょうか。

向日葵の坂道

 由岐を選んだルート。こっちは割と論考によった考え方なのかな?って気がしました。運命をぶち壊すほどの意思はないにしても、世界という枠の中で幸福に対する意志をもって生きていけば僕たちは坂道を登っていくことができるよ、的な。

終ノ空

 今までのお話って結局何だったの?っていうルート。最後にこのルートが解放されることからも。これこそ一番論考の考え方に近くて、いろんな可能性(仮定)はあるけれども結局私たちが理解することはできないのでそんな世界への意思なんて捨てて生きていきなさいよ。という感じでしょうか。最後に美羽と彩名が会話するのは地味に驚きですね。ここは正直考察の置いて外せなさそうです。まあ論考で登ってきた梯子を下ろして生活に帰りなさい、という導きなのでしょうか。

Knockin on heveans door

 皆守と由岐のイチャラブ♡にしても二人ともめんどくさい!なんだこいつら!!このめんどくささはある意味すかぢ氏っぽい。サクラノ刻でのイチャラブシーンには期待してます。

 最後の二人の絵が最高でした。pianoVerの空気力学もさいつよ。

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これで心置きなくサクラノ刻を待てます。今年中に出るんだろうな~・

PS.理解参考にさせていただいた多数の考察サイトに感謝、感謝。

 

【感想/レビュー】 AIソムニウムファイルがめちゃんこ面白かったという話

「殺したのはAIが欲しかったから」

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コザキユースケ氏のキャラクターが最高

 今回はAIソムニウムファイルのレビューになります。infinityシリーズや極限脱出シリーズを手掛けた打越氏の新作。前半はネタバレなしの紹介、後半からネタバレ有りで感想を言っていこうと思うのでご注意を。

まずはレビューから。

 一番重要なストーリーの出来は非常に良かったです。伏線の回収は美しく、メインのトリックも非常に納得がいきました。大きな仕掛けはなかったものの謎とトリックが上手く絡まり合っていて、全ての謎が解けた後の爽快感は別格でした。ただ本筋以外の要素は人を選ぶかもしれません。特にギャグや下ネタが多く、銃撃戦のシーンや人の命がかかっているようなシーンでもギャグを連発します。(さすがに本筋のトリックに絡む部分は真面目ですが)もちろん適度なギャグは良いスパイスになりますが、この場合余りに量が多すぎて正直、興が削がれたという印象が拭えません。ただ付け加えておくとギャグ自身は面白いものが多く(大分子供寄りのノリですが)笑えるし本筋も素晴らしいのでこの二つのかみ合わなさを許容できるのであれば楽しめると思います。プレイ時間はサクサクとプレイして20時間ほど、長すぎても複雑になるのでこれくらいでいいかなと思います。

 キャラも打越氏の作品ということもあってイロモノぞろいではありますがプレイ後は大体のキャラが好きになりました。キャラ別の個別ルートも3つあり掘り下げも十分です。キャラ同士の掛け合いが面白くゲームプレイを非常ににぎやかしてくれます。

 ゲームプレイは主に捜査パートとソムニウムパートに分かれて進行します。捜査パートは逆転裁判のような従来のADVのようにオブジェクトをクリックして調べる方式です。ソムニウムパートは今作独自のシステムで人物の頭の中、夢に潜り込み様々なアクションでその人物のメンタルロックを解き、隠された真実を解き明かす、というものになります。ただこれはあまり面白くはなかったです。人物の夢の中ということもあり現実ではありえないようなことが起こります。(ゲームの世界に紛れ込んだり)これ自体は面白かったのですが、こちらからするアクションさえもめちゃくちゃなものを求められます。例えば液体があったとすると(A舐めろB飛び込めC手を突っ込め)このような選択肢を求められます。しかしゲーム内にヒントはほぼなく総当たりで選択していくしかありません。(ほんの一部では法則性がある場合もありますが)つまり推理などの頭を使う必要もなく選択肢をつぶしながら何度かリトライして進むしかないのです。まあここにもギャグ要素が詰め込まれていて笑えたりはするのですがいまいち解き明かしていく感覚が少なく、謎を解き明かすうえでもどかしい気持ちになりました。

 

 まとめると今作はガチガチのミステリーではなく、ラノベやアニメのような軽ーいノリもふんだんに込められた探偵ものです。そこにさえ注意すれば胸を張ってお勧めできる素晴らしいゲームです。switch ps4 steamで発売されているのでぜひお試しを!

 

以下ネタバレ有り感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 さすが打越さん、って感じでしたね。トリック周りは一切の疑問の余地なしで納得できました。ありとあらゆるものが伏線になっていて、全てがつながっていく感覚はやっぱり最高ですね。

 ただやっぱり軽いノリとの噛み合わなさはどうかなあと思いました。例えば最後の全員集合で踊って終わり!っていうエンディングも単体なら割と好きなのですが今作に至ってはしんみり終わってもいいのかなという気もします。今作のメッセージをまとめると家族愛や友情みたいなわかりやすいものになるのでしょうが個人的にはもっとシリアスな部分にも踏み込んで欲しかったという思いがあります。

 特に期待していたのはAIとI(自我)についてです。人格が入れ替わるというストーリーに持って来いですしここを掘り下げていくてくれたらもっとまとまりがあったのかなあなんて気もしています。。とはいえテンポが良くて、なんだかなあと思いながらも3日で一気にプレイしてしまいました。テンポの良さはこの作品の1つの目玉といえるかもしれません。eyeだけに

 あと、「虹ノ矢ハ折レナイ」大好きです。陳腐さが逆に心地よいというか、すごいあったまる曲でした。グランドフィナーレも大好き。

ざっくりとルート別感想

イリスルート

 イリスの妄想を信じて付き合うルート。ふとんすいとんあせとんちゃん。こういうオカルティックなルート、あまり嫌いではないのですが伊達の変わり身がひどくて違和感が止まらなかったw明らかに間違ってるとは分かっていても大好きな主の命令を聞いてあげる隠れアイボゥ萌えルートでもありました。アイボゥいいやつ。廃工場で突然倒れたのは脳腫瘍なんでしょうね。そこまで酷かったらネットアイドルなんてやってる場合じゃ・・・という気もしましたが。どうしようもない悲しいルート。

応太ルート

 ・・・ギクッ!!僕の胸に何かが刺さったルートです。ママごめん・・。応太が改心するルート。上とも合わせあんまり本筋に絡まない話ではあったけど割と好きです。今作のテーマの一つでもある「家族愛」が前面に出してきたって感じでしょうか。割と話は陳腐ですが、アイボゥが伊達の直観も悪くないな。みたいな感じで感心するシーンがお気に入りでした。とはいえ沖浦が死んだ時点でイリスの中身が死んで、イリスの中に世島のおっちゃんがいるという悲しみも背負っているという。頑張れ応太!ネットではボコボコに叩かれているみたいだけど俺は応援しているよ!一緒に頑張ろう

みずきルート

 ツンデレ最高。みずきかわいいよみずき。あとやっぱ一流の声優さんって違うなと感じました。演じているのは黒沢ともよさん。声優にあまり詳しくない僕でも聞いたことはある。ツンデレの建前と本音をうまく演じているなあとしきりに感動していました。

 みずき(チート)と協力して世島inサイトを倒すルート。イリスの中身は死んでいるものの一応黒幕は倒しているのでそれなりに未来はありそうなルート。みずきをプレイして伊達を助けたり、神社のお祈りが実は互いのことを思っていたり、約束のラーメンを果たしたりベタだけど暖かいお話でした。メンタルロックや、殺害現場に少女がいたり、ラーメンの約束をしていたり某逆転裁判をパロっていたのかなと今更ながら。

全滅ルート

 サイトが第2サイクロ事件を完遂して体を取り戻すネタバレルート。伏線回収はまさに圧巻でした。いちいち伏線の部分も教えてくれるので頭の悪い自分も非常に納得がいきます。ただ1つ文句を言うなら全滅編、解決編ともに8割進んだところでお預けを喰らって他ルートの攻略をしなければならないところ。どうしてもルートを何度もわたることになるのでこんがらがるし、やはり1ルート一気にクリアしたほうが爽快感はあるなと思いました。

解決ルート

 サイトを倒してイリス、瞳を救うルート。最後の救出シーンもこれまたいろいろ突っ込みたいところはあったけど良かったです。猛馬がめちゃくちゃかっこよかったのが笑えるなあw一番好きなキャラかもしれません。伊達の「お前なんか嫌いだ、自爆していなくなれ」みたいなセリフも泣けましたね。自爆の前フリはちょっと雑だったけどやっぱりベタなのに弱い;;あと気になるのはピュータでしょうか。沖浦とソッチの関係にあったのは間違いないのですが、第1の事件が発生した時点で沖浦の中身は死んでいるわけで・・・サイトに踊らされて犯罪に加担してしまうという・・・確かに悪役ではあるのですがどうしても嫌いになれません。ピュータ・・・およよ・・・

 そしてエピローグ、先も言った通りちぐはぐではありますがこういったゴリゴリの大団円もなんだかんだ幸せ感があって好きです。みんな幸せそうで良かった・・・さらに先も気になる。伊達と瞳が結婚したらみずきとイリスも姉妹になってめちゃくちゃやかましそう。伊達と瞳がちょっと他人行儀なのもいじらしくて幸せを願ってしまいます。唯一まゆみはどうしようも無い感がありましたね。まあでもきっと応太が向き合っていくのでしょう。

 

 ともあれ今はADVというジャンルが廃れてきているので本当に頑張ってほしいです。これくらいお金をかけてadvを作れるのは逆転裁判ダンガンロンパくらいでしょうか。Life is strangeやWalkingDeadだったり海外では割と流行ってる(主にインディー)もののやはり日本のアドベンチャーのほうが落ち着きます。LiSとか最高に面白かったけど異世界感が強かったなあ。エロゲでもミステリはかなり減ってきていますし、やはり3Dのほうが画が全然違います。エンディングでアイボゥがこれからもよろしくね!的なことを言っていたのでぜひ次回作はみずきちゃんが主人公の推理物をprprpr

 

 最後にちょっと突っ込みどころについて

 本筋はしっかりと作りこまれていたが細部が割とやっつけな感じがしたので。

夫が死んでからの真津下家の収入源→まゆみが元気だったころに貯めていた財産で食いつないでるらしい(公式インタビューより)

アイボゥの自爆→世界中に散らばってて結局助かった、(母の力は偉大)何事もなく助かるんだったらあの時の後悔は何だったんだと。確かにアイボゥが復活してくれないと締まらないがにしてもリターンにリスクがないとただのご都合主義になってしまう。

イリスの寿命(ステージ4、余命1か月)→沖浦からダンスを禁止されているという伏線もあったが、寿命間近ならさすがに仕事やめて療養するべきでは・・・。治療法があったとはいえ3か月で元気になってるのも雑だなあと。

みずきルートの世島(ジジイin息子)「息子を殺すことになるとはな(的なセリフ)」→中身は犀人だったはずなので自分を殺すことになるとは・・・になるはずだが。そもそもあそこで殺してしまったら自分の体に戻るという長ったらしい計画もぱあになるが、まあ危機的状況なのでやむ無しではある。

89号はボスが何とかしてくれて前科もあるけど幸せに瞳と暮らしました!ってのも

沖浦が愛華の死体を氷漬けにしておいた理由は?→復讐の時に世島を脅す材料として保存しておこうとしたのだろうか。にしても悪趣味というか・・・少し説明が欲しかった。

伊達が記憶をルートを超えて保持している理由→これもやっつけ

サイトが殺人において様々な仕掛けを施した理由→目立つようにしたのは伊達を煽るためとして(これまた回りくどくて突っ込みたいところではある)、みずきを呼んだ理由とかいろいろあった気がするけど忘れて下田。

忘れたところも多いけどこういう突っ込みどころが多かったのは少し残念。僕の疑念に関する考察や新たな疑問があればぜひコメントをください。

 

2020年には打越氏がシナリオで「デスマーチクラブ」という作品が出るそう。小高氏も参加しているらしい。V3で煮え湯を飲まされたので因縁はありますがwとはいえデスゲームがテーマということでこれは楽しみで待ちきれない・・・!